語林講座 四字熟語編  
 
          文・樋口千夏      
     
もどる  怒 

【怒火中烧 】(褒・貶)

読んで字のごとく、「怒りの炎が胸中に燃えたぎる」という意味です。

  一连几天,他怒火中烧 ,吸烟很多,说话很少。
  /ここ数日、彼は怒りで腸が煮えくり返っているから、煙草の本数が多く口数が少ない。

【妒火中烧】

といえば、「やきもちを焼く」ことです。
これは嫉妬の炎なんですね。
この成語をみて以下の歌が思い浮かびました。

  やきもちは遠火に焼けよ 焼く人の胸も焦がさず味わいもよし
やきもちを焼くときはほのめかすぐらいにしたほうが波風が立たなくてよいという知恵です。

【怒不可遏】 (褒)

「遏」は「抑える・禁じる・止める」意です。
すなわち「怒りを抑えきれない」。

   小杨怒不可遏 ,一拳将老刘打翻在地。
  /楊さんは怒りを抑えられず、劉さんを殴り倒した。

【气急败坏】(貶)

性格が「急」な人はどんな人でしょうか。
せっかちで怒りっぽい人ですよね。
「败」も「坏」も壊すという意味なので、
癇癪をおこして卓袱台をひっくり返すとか、
物をめちゃくちゃに壊してしまうような様子をイメージしてください。

   他发怒了, 气急败坏地吼叫起来。
  /彼は怒って、前後の見境もなく叫び声を上げた。

  【恼羞成怒】(貶)

「恼羞」は恥ずかしくて気分を害することです。
悪い人が人の前で恥をかかされたときに使います。

  他因为秘密被揭穿而恼羞成怒。
  /彼は秘密を暴かれたために羞恥のあまり怒りだした。

 【怒发冲冠】(褒)

「冲」は「突き当たる」意味、怒りのため逆立った髪の毛が冠を突き刺す・・・
「怒髪、天を衝く」ですね。
中華民族の英雄・岳飛の詞≪満江紅≫の言葉で、
侵略者に対して正義感をもって抵抗しようとする怒りです。

   老黄怒发冲冠 ,上前揪住一名歹徒的领子。
  /黄さんは激しく怒って、やくざ者の襟首をつかんで引っ張った。