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哀
【黯然神伤】
「黙然」は「黙々と」という意味、「神」は「精神」。
心が傷ついても言葉にせず、黙ったまま悲しむことです。
听到地震的消息,因自己无法尽力而黯然神伤。
/地震のニュースを聞き、己が何もできず言葉を発せず悲しんだ。
【触景伤情】
「触」は「触目」という言い方があるように、「目に触れる」意味。
「景」は「景色」「場景」です。
目の前の場景を前にして悲しい気持ちを催すことです。
我重回故乡時触景伤情,思念起十年前去世的母亲。
/十年前に亡くなった母を思い出し、帰郷のたびに悲しくなる。
【悲痛欲绝】
「欲绝」(まさに絶えんとほっす)、今にも絶えそうだということですが、
何が絶えるかというと自分の命のことです。
ですから、「命が絶えんばかりに悲しい」「悲しくて死にそうだ」という意味です。
同じような言葉に「痛不欲生」(悲しくて生きていたくない)があります。
战争夺取了许多亲人的生命,令他悲痛欲绝。
/戦争にたくさんの身内の命を奪われ、命が絶えんばかりに悲しい。
【心如刀割】
これは読んで字のごとく、「心臓をナイフで割かれるよう」という意味です。
看着這情景,人们难受得心如刀割。
/この場景を見ると、人々は胸をえぐられるようにやりきれなくなる。
【撕心裂肺】
「あまりの悲しみに心臓と肺が裂けるほどだ」という意味です。
「撕」は、「撕开」のように紙や布を切り裂く意味。
「裂」は「裂开」のように二つに裂ける意味。
両者の違いは「裂く(他動詞)」「裂ける(他動詞)」点にあります。
しかしこの言葉の場合、「撕」の重用を避けて、「裂」を用いたものです。
经过了那许多撕心裂肺的白昼和夜晚,她终于平静地生活了。
/心が張り裂けんばかりの昼夜を過ごし、彼女はようやく静かに暮らせるようになった。
【肝肠寸断】
日本語でも「断腸の思い」(はらわたが裂かれるような悲しみ)と言いますね。
想到今后天各一方,难以相見,两人肝肠寸断,泪如泉涌。
/今後、離れ離れになって会うのが難しくなることを思い、二人は断腸の思いで、涙があふれた。
例文について一言解説します。
「今後天各一方」は「今天後(今日以降)」の打ち間違えではありません。
「今後(これから)」「天(天の下)」「各(それぞれ)」「一方(一箇所)」、
つまり「これからこの天の下、それぞれ別の場所にいる」という意味です。
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