語林講座 四字熟語編  
 
          文・樋口千夏      
     
もどる
 【得寸进尺 】

こんな場面を想像してください。

ある日、友人に引っ越しの手伝いを頼まれました。
この友人の立場から考えれば、人の助力を得た、つまり1つ得しました。
荷物を運び終えてだいたい片付いたとき、部屋の掃除もしてくれる?と聞かれました。
この友人は「1寸」を得た上、さらに「1尺」まで要求しています。

こんな状況を以下のように言います。

  幇他搬家,他还要我替他打扫房间,真是得寸进尺。
  /彼の引越しを手伝うと、さらに部屋の掃除を代わりにさせようとする。付け上がるのも甚だしい。

ほかの場面で使ってみましょう。

最初からリクエストを明示するのではなく、こちらの受け入れ方を見ながら要求をじりじり出されると、
そのたびに話をふりだしに戻さないといけません。

  谈生意时,遇到得寸进尺的人最麻烦。
  /商談のときに、一つ要求が通るとまた一つと提示してくる相手にあうと厄介だ。

【鼎鼎大名 】

鼎は中国古代の祭祀するときに使う礼器です。
足が三本ありますので、三人で話すことを「鼎談」と言います。

ここでは名前が知れ渡ることを「鼎鼎大名」と言います。

  我今天終于见到了那位鼎鼎大名的诺贝尔获奖者。
  /今日ついにあの名声が高いノーベル賞受賞者とお目にかかりました。

他の例を挙げます。

  他去年考上了鼎鼎大名的○○大学。
  /彼は去年、あの有名な○○大学に入りました。