語林講座 四字熟語編  
 
          文・樋口千夏      
     
もどる 大智若愚

賢い人が間抜けなことをしたという場面を想像してみてください。周りの人はその失敗をどのように考えるでしょうか。

賢い人であっても失敗することがあるのだなあ。わざと失敗したのではないか。
この言葉は後者の解釈を言ったものです。

実際の失敗を失敗と認めず、それを演じたものとします。以下のように使います。

 他是大智若愚。
  /彼はすごく賢いのに間抜けなふりをしている。

賢い人の失敗に際して、後者のパターンを用いれば一枚上手のフォローができるでしょう。前者を言うには

智者千慮、必有一失
 /智者の千慮にも一つは必ず失敗がある=弘法にも筆の誤り
 
という言葉があります。

頭のいい人は往々にして敵を作り不運を辿りやすいです。しかし、ばかを装えば自分を守ることができ、また有利になります。この言葉はその知恵から生まれた言葉です。

賢い人の中でもばかを装える人が一番賢いですね。
本当は強くて賢いのにそれを前面には出さないジャッキー・チェンは本当の二枚目といえるでしょう。