語林講座 四字熟語編  
 
          文・樋口千夏      
     
もどる 重温旧梦

「重」は「重い」ではなく、重版・重婚などの「重ねる」意味です。
昔の夢をもう一度温める→すなわち、かつて見た夢の中へ戻る・昔の夢をもう
一度見るということです。

「梦」という言葉に、私たちは複雑な感情を抱いています。「実現できない願い」も「追い求める理想」も「梦」です。

日常会話においても夢を見るという人間の行為に対してやや冷ややかに以下のように言うことがあります。
 
  你別做美梦了! 
   /美しい夢を見ないで!→「ありえないでしょう!」

「旧夢」も同じく、「美しい過去」と「理想化した過去」の両方の意味があります。

さっそく使い方を見てみましょう。

 她希望重温旧梦,結果发现破镜难圆,因此又离家出走了。
  /彼女はロマンス/愛情の復活を願ったが、復縁は難しく、結局また家を出た。

「破镜难圆」は壊れた鏡は元に戻しがたい、つまり覆水盆に返らずということです。
彼女が見た昔の夢というのは、理想化した過去ですね。

夢見ることについていつもクールなわけではありませんよね。
「美しい夢」という意味で使うこともあります。

 他想在北京奥运会上重温旧梦。
  /北京オリンピックで過去の夢を再現したいと思った。

 我这个人比較恋旧,喜欢重温旧梦,总想看到此曾相识的景色。
  /私という人間は昔を懐かしむことを好むから、
  どこかで見たことのあるような景色をまた見たいとずっと思っていた