語林講座 キーワードで勉強する中国語 
          文・林 松涛      
     

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  ー在ー

これまで「在」については二回お話ししました。

1・在=ある・いる。
2・在=に・で

今回は、「〜している」「〜していた」(進行形)という用法です。
この場合の否定形は、「没在〜」となります。

たとえば、

<肯定>他在听音乐。     彼は音楽を聴いている。/聴いていた。
<否定>他没在听音乐。    彼は音楽を聴いていない。/聴いていなかった。

どうして二通りの訳があるのでしょうか。
それは、中国語に過去形というものがないからです。

たとえば、部屋に入ると、「彼」はちょうど音楽を聴いています。
このときは当然のことながら、
  「他在听音乐」
  (彼は音楽を聴いています。)

と言います。
が、もし「昨日」部屋に入ったとき、「彼」が音楽を聴いていたとしても、

  「昨天我进去的時候、他在听音乐」
  (昨日、私が入った時、彼は音楽を聴いていました)

と言います。
時制によって動詞を変化させなくてもよいのです。

【ポイント1】過去形に変化させる必要なし!

「昨日」と、いつのことかを付け加えればOKなのです。
ややこしくなくて、便利ですよね。

□ 場所 + 在

それでは、「どこかでなにかをする」と言いたいときはどうしましょうか。
2の意味(に・で)と在がかぶってしまいますよね。

たとえば、彼は中国で中国語を習っています。
まず、「彼は中国にいる」は「他在中国」です。
それから「中国語を習っている」は「他在学漢語」です。

    他在中国
  +)他在学汉语
  ---------------------
    他在中国学汉语。   

【ポイント2】「在」は二回使いません。
するどい読者はすでにお気づきかもしれませんが、
この文を 「中国で中国語を勉強します」(在の2の意味)
と訳しても良いのです。

■今日、お話した2つのポイントをまとめておさらいします。
以下の文、どう訳すかちょっと考えてみてください。

「明年他在中国学汉语」   

・動詞の変化がない、いつのことかは「明年」という別の言葉で判断する
・「~で」なのか「~ている」なのか、文脈で判断する
  ↓
(来年彼は中国で中国語を勉強します。)