語林講座 キーワードで勉強する中国語 
          文・林 松涛      
     

BACK
  要

━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━

一、コーヒーをください。

 何かほしいものがあれば、「我要~」で言ってください。たしかに「ください」は、「请」です。たとえば、お客さんを中へ案内するときに「请请」と言って下さい。
 
 そうすると、「コーヒーをください」と言うときも、「請」を使った方がいいかなと悩む方がいます。
 
  请给我一杯咖啡。    给=くれる、あげる
 
 と言っても間違っていませんが、ふつうはもっとストレートに言います。
 
  我要咖啡。
 
 つまり、「我要~ = ~がほしい」です。これで注文はばっちりですね(笑)。

━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━

二、中国語を勉強したい。

 この節でさらに一歩進みましょう。
 
  りんごがほしい  
  中国語を勉強したい 
 
 いずれも自分の願望、意志を述べる文です。中国語では、両方とも「我要」で言います。
 
  我要苹果。
  我要学汉语。
 
 つまり、我要+[   ] という文があって、括弧の中に名詞でも動詞でも文でも、なんでもいいのです。訳すとき、「ほしい」「したい」「しようと思う」から選んでください。
 
 似ている表現は、いろいろあります。

  我要机票。        航空券をください。
  我要去上海。       上海へ行こうと思います。
  我要去上海的机票。  上海行きのチケットをください。
  我要睡觉。         眠たいです。
  我要去。          行きたいです。

「我要」はとても便利な言い回しですね。

━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━

三、你要吗?で質問しましょう


 相手がほしいものを聞く時もとても簡単です。
 
  你要机票吗?
 
 前回も説明したように「是吗?」と「是不是?」と二つ言い方が
 あります。両者はほぼ同じです。
 
 ここで、你要机票吗?の代わりに、你要不要机票?とも言います。
 答えは、「我要」または「我不要」です。

━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━

四、否定としての「不要」

 ものが要らない時は、「不要」と答えましょう。
 
 しかし、行動の場合はすこしややこしいです。
 
  你要去上海吗?と聞かれたら、「我不去」(行かない)または「我不想去」(行きたくない)と答えます。
 
 なぜここでは「我不要去」と言わないですか。
 それは、「我不要去=行かないで」からです。
 
━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━ 

※雑談、「我要」と「我想」の違い

「我想~」は、「我要~」より婉曲な表現です。

 アメリカ人の友人から聞いた話ですが、日本人はレストランなどで、子供に対してとても甘いそうです。子供が走りまわっても親が叱らないのは、アメリカ人にとって理解しにくい現象です。

 しかし、中国人としての私からみると、日本の子供はまったくおとなしい方です。中国の子は「小皇帝」といわれるようにわがままいっぱいに成長してきた子が多いです。

 「我要、我要嘛」ばかりで、満足させてもらえない時には、「要ーー!」と泣きそうに言います。それは「我要」の原型でしょう。(笑)

━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━━◎◎◎◎◎━━━━━━━━

練習 ショッピングの時によくある場面です。

 服务员,我要看看那个东西。
 你要哪个?
 (指でさして)我要那个。
  ・・・・・・
 你要买吗?
 太贵了。
 (すこし怒ったように)你要不要?
 不好意思,我不要了。

 すみません、それをみせてもらえます?
 どれですか?
 (指でさして)それをみたいです。
 ・・・・・・
 買いますか?
 ちょっと高いですね。
 (すこし怒ったように)要らないですか?
 すみません。要らないです。

 以上の訳文は、直訳ではなく、日本語の習慣に沿って意訳しました。こうやって語感の違いをよく理解することは、自然な中国語を覚える上でとても大事です。