語林講座 キーワードで勉強する中国語 
          文・林 松涛      
     

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  是

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一、まず「我是~」から

 今日は、自己紹介から勉強しましょう。
 
 初対面の挨拶は「はじめまして、遠藤一郎です。日本人留学生です。」と言うのでしょう。中国語では「你好!我姓远藤,叫一郎。我是日本留学生。」と言います。

 まず「我」を最初言います。「我が強い」というか、ぜひ忘れないでください。
 多くの会話本の中で、「はじめまして」は「初次见面」と訳されていますが、「你好」に言い換えた方が自然です。

 私は日本人留学生です=我是日本留学生。
  この部分だけ見ると、「是=は」と思われるかもしれません。じっさい、そうではありません。「是=は~だ」と理解した方がいいと思います。

 この「是」が省略されたり、「是」を使うべきと思われるけれども、使わない言い方もあります。たとえば、
   
   我今年30岁。   私は今年30歳です。
   现在3点半。    いまは3点半です。
   今天星期五。    今日は金曜日です。

 下の2つの例は「现在是3点半」、「今天是星期五」と言ってもいいのです。
  しかし「我是30岁」とは言いません。 「私=30歳」ではないからでしょう。

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二、「是」で質問しましょう

中国語における疑問文は、次のようにいくつかの言い方があります。

a、你是日本人? (最後の「人」のアクセントはやや高い)
   「え、日本人?」という感じも含めています。
b、你是日本人吗? =日本人ですか。
c、你是不是日本人? =日本人ですか。
            (是or不是のどちらですか。)
 
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三、「是」を否定してみよう

「是」の否定は「不是」です。

 不,我不是日本人。
   / いいえ、私は、日本人ではありません。
 不,我不是。
   / いいえ、違います。/いいえ、そうではありません。

ちなみに、「不是」と似ている「不,不对」という言い方があります。両者はどう違うのかよく聞かれます。

「いいえ、違います」にたいして、「不对」と「不是」両方言います。
前者は、「あなたの判断は間違っているよ」という意味でちょっときつい言い方です。
後者は、内容は事実ではないという意味です。

「私の判断は正しいですか」(「对不对?」)と聞かれない限り、後者を使った方が無難でしょう。

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四、名前の言い方

 以上の説明を読んで「遠藤一郎です」の言い方はもうお分かりになりましたか。
 「我是远藤一郎」と、どなたかきっと言っていますよね。
 
 うーん、間違っていないが、ほかの言い方もあります。それは、
 
 我叫远藤一郎。
 我姓远藤,叫一郎。
 
 要するに、「遠藤一郎と申します」の意味です。「姓」と「叫」は動詞です。このような動詞を中心とする言い方は、次回ご説明します。
 
 最後、「我是远藤一郎」と「我叫远藤一郎」の違いを簡潔に説明しましょう。
 
 だれが遠藤ですか?と聞かれるとき、私は(あなたの知っている例の)遠藤だ、
 と言うときに、「我是远藤一郎」で言いましょう。
 
 あなたはだれ?と聞かれたとき、私の名前は遠藤だ、と言うときに、
 「我叫远藤一郎」で言いましょう。