第1回  第2回  第3回

スタート時点から「会話」を意識しましょう


 樋口 はじめてインタビューをします。ちょっと緊張しますね。
 林 私もです(笑)。
 樋口 では、初心者のために一つ聞きますが、
これから中国語を勉強する場合、どうすればよいのでしょうか。
 林  うーん、中国語を始めるには、いろんなやり方があります。
多くの方は、市販のテキストを読んだりラジオ講座を聴くのですね。
ただし今まで独学の人を見てきましたが、いくつか問題があります。


1つは発音をマスターするのが難しい。
もう1つもっと気になる点は、会話ができない。
話そうとしても文法が先に出てきて話せないんです。
文法の知識はかえって話す妨げになります。
そもそも、独学すると、話す相手がいなくて、フィードバックがないので、
会話となっていないからですね。



それからもう1つは根気ですね。
普通の方は、なかなかモチベーションを保てません。


じつは、1年ぐらい独学してとても上手な学生が何人かいます。
どうやって勉強してきたのを聞くと、毎日ラジオで中国語の講座を聞くか、
電車でCDを聞くそうです。
さらに趣味はなんですかを聞くと、「マラソン」だったりして(笑)。
やはり、根気のある方ですね。
 樋口 その方はどうして教室にくるのですか。 
 林 会話しないと上達できないと限界を感じたそうです。
 樋口 私みたいな怠け者は、やはり仲間と先生を見つけて
一緒に勉強するほうがよいみたいですね(苦笑)。
それでは、教室の話に移りましょうか。いま、1クラス何人ぐらいですか? 
 林 5人くらいです。
 樋口 どんな目的で通う方が多いのでしょうか?
林  統計したことがなかったが、イメージとしての話しかできません。

十年前、教室がはじまったばかりのとき、
わりと中国文化が好きで勉強する方が多かった。


いまは目的がさまざまですね。
3分の1は仕事上、中国語となんらかの関係があって、
いつか中国語が必要になるのでその準備のために、という方たちです。
仕事上で英語を使う方が多いです。
すぐにというわけではないので割と余裕をもって勉強しています。


3分の1は、中華ワールドに興味を感じている方です。
お茶とか二胡とか、あとは歌手やスターにはまっている方とか。
 樋口 楽しそうですね。
 林 そうですね。皆いっしょにコンサートに行ったりして。
樋口

うらやましい。 

 林 残りの3分の1は、それぞれ色んな理由をもっていますね。
1年後の留学、赴任、夫の転勤などなど。
あと、奥さんか旦那さんが中国人の方も何人かいます。
 樋口 え?!どうして家で勉強しないですか。
 林 関係が近すぎると、かえって教えにくいからでしょうね。
 樋口 近所の人が多いですか?
 林 そうでもないですね。一番多いのは大江戸線・丸の内線の沿線、
特に新宿の西側の荻窪方面に住んでいる方です。
会社帰りに教室に来るからです。
でも、遠くから来ている方もかなりいます。たとえば大宮・蓮田・船橋から。
いずれも会社員の男性です。鈴木さんは、大宮からですよ。
 樋口 え?!びっくりした。そんなに遠いですか。
あの方はもう長いですよね。
 林 はい。2000年からかな、初心者クラスから始めたのです。
そのときは、中野に住んでいました。
その後は、会社に中国関係の仕事を任され、北京へ転勤、
日本に戻ってからまた教室に復帰したのです。
 樋口 鈴木さんは、一番長い方ですか。
 林 いいえ。もっと古いのは、小林さんです。
私の似顔絵を描いてくれた方です。
 樋口 10年前の林さんに似ていますね。とくにあの寝癖・・・(笑)。
 林 そうですね。
 樋口 どんな年齢の方が多いのですか。
 林
20~40代のサラリーマン・OLです。
と言っても、20代はやはり少ないですね。


私が30代前半のときに、教室を始めました。そのとき、20代が多かった。
いま、一緒に平均年齢も10歳ぐらい上がりました。 

でもいま、教室に若い先生もいますから、もっとたくさん若い人に来てほしいですね(笑)。
 樋口 新聞やニュースによると、いまどきの20代は海外への興味がうすいそうです。
それも関係あるのではないでしょうか。
 林 そうかもしれませんね。経済的な理由もあるでしょう。
ぜひ彼らがもっと未来志向で頑張ってほしいですね。 
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